第577話 ■塩爺に怒る!

 昨日、テレビのニュースで子供達が霞ヶ関の中央省庁を視察して回るイベント(?)が行われたと報じていた。田中外務大臣が「他の仕事のため会えません」と言っておきながら(別に大臣本人がそう言った訳ではなかったようだが)、実は夏休みだったというミソを付けた視察イベントだったようだ。

 きっと田中大臣が執務中であれば、外務省への取材が集中し、テレビでもその様子が映し出されたであろうが、お休みなので、代わって画面に登場したのは塩爺こと塩川財務大臣であった。支持率も高く、何かと話題の小泉内閣であるが、役者という面ではこのあたりで打ち止めだろう。坂爺ではいまいちインパクトがない。扇大臣もちょっと…。まあ、全ての省庁がこの日に子供達の視察を受け入れたのかどうかは知らないが、財務省への取材はまあ無難な選択だっただろう。

 「何でも聞いてちょうだい、何でも答えるから」とあの笑顔で子供達に語りかけていたが、所詮相手は小学生である。「塩爺と呼ばれるのはどうですか?」、ぐらいの質問しかしない。「何でも答える」なら、国会でとぼけた機密費の実際の使い道について、聞いて欲しかった。

 子供を相手に財政再建について「協力してちょうだい」などと言ったらしいが、何と無責任なことか。300兆円の借金を「子供や孫のクレジットカードを使っているようなもの」と揶揄した言葉があった。まさにその世代の子供達が目の前にいて、勝手に彼らの金を使っておきながら、「ちゃんと返しなさい」と言っているようなものだ。まあ、借金の当事者は宮爺(宮沢前大蔵大臣)だけど。

 「後は野となれ山となれ」、「我が亡き後に洪水は来たれ」。この程度の視察なら、霞ヶ関を回るよりも家で格言の勉強をしていた方が役に立ったかも。

(秀)