コラムのデパート 秀コラム

第1407話 ■クリスマスの子供会

 昔は24日に通知表をもらって、翌25日からの冬休みと決まっていたが、最近は天皇誕生日や週休二日制の影響で、これよりも数日早くから子どもたちは冬休みに突入している。ちょっとうらやましい。以前は冬休みのスタートとクリスマスは同じであった。終業式のその日、友達の家に集まって、クリスマス会なんてものもやったりした。

 私が小学生、しかも低学年の頃は、子供会のクリスマス会が24日の夜に行われた。会場は町内のお寺である。そこが一番のキャパシティを誇るもんだから宗教の違いなんて言ってられない。回覧板や連絡網であらかじめ連絡されていて、子ども達がぞくぞく集まってくる。子どもなんて集まって、じっとしているものではないため、会場の本堂はすぐに子どもたちの熱気に包まれる。駆け回ったり、プロレスごっこでじゃれあって、泣き出す子どももいた。

 会が始まったところで、本堂の本尊の前で、クリスマスやキリストを聞くでもなく、ましてやクリスマスソングを合唱するでもなく、クリスマスらしさなんか微塵もなかった。それでも夜に大勢の子ども達が集まるというのは、非日常としてそれだけでも十分に楽しかった。そして何よりも子ども達の狙いは、そこで配られるお菓子であった。町内のお菓子屋で用意された、白い紙袋に各自詰められたお菓子だ。これまたクリスマスらしさのない袋詰めだった。

 それから数年経ってからは大人たちもクリスマスらしさを意識するようになって、お菓子ブーツをもらえるようになった。

(秀)

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