第653話 ■クリスマス気分

 今年も残すところ20日を切ってしまった。心残りは何だろう?。残されたあとわずかな日々に気になるイベントもある。クリスマス?、忘年会?。私は毎年のことであるが、14日の討ち入りに備えて気分を高めなくてはならない。もちろん、忠臣蔵の話。

 「サンタなんかいない」と随分早い時期に意地悪な兄に知らされてしまった。おまけに、それまでにサンタがくれたものと思いこんでいたプレゼントも森永チョコボールぐらいでしかない。それでもお菓子ブーツを買って、それらしく子供時代のクリスマスを過ごしてきたが、それ以降も総じてあまりハッピーはクリスマスを過ごした記憶はない。街のショーウィンドウのディスプレイやツリーに電飾、それに聞こえてくるクリスマスソングも消費を煽るためのものでしかなく、興醒めしたりした。

 でも今年はちょっと違う。クリスマスソングを聴いて、気分は十分に満たされている。ジャズボーカリスト小林 桂のクリスマスソングアルバム「Wonderland」を聞きながら、原稿を書いている。鼻に掛かった感じの彼のハートウォーミングなヴォイス(単に「心温まる歌声」を書けばいいのだろうが、敢えて)が心地良い。よく知っている、「ホワイト・クリスマス」、「赤鼻のトナカイ」、「ウィンター・ワンダーランド」、「サンタが街にやって来た」、をジャズで聞く。もちろん、英語。気分は夜の銀座(4丁目交差点付近)を、いや、ニューヨークの街を歩いているような感じになれる。

 今年はカラオケで下手な「クリスマス・イブ」を聞くことも歌うこともなく、スウィングジャズを聴きながら年の瀬を迎えられそうである。おすすめの1枚。

(秀)