「もったいない」という言葉は一般には道徳的に良い言葉とされているが、これがいつでも通用するものとは限らない。料亭「船場 吉兆」での料理使いまわし事件。後から後からと明らかになり、全店で食べ残しの料理を使いまわしていたようだ。
吉兆の社長は謝罪会見をやっておきながら、「食べ残し」というマスコミの報道に対し、「手付かずのお料理」と言うように求めていた。「手付かずのお料理」だったら、まだ幾分は許されるというのか?。そんな問題か?。こんなところに会社としての、使いまわしや隠ぺい体質が潜んでいると言える。
てんぷらは揚げ直し、焼き物は焼き直し。仮に、「これは前のお客様の手付かずのお料理ですが、無料で結構ですからどうぞ」と言われても嬉しくない。むしろ、これを隠して高い金を取っていたわけだから、これはもう詐欺だ。そもそもの牛肉産地偽装事件も合わせ、高級料亭とはちゃんちゃらおかしい。
「どうせ他でもやっているだろう?」という思いもある。ところが、低コストが必須の居酒屋などでは、忙しさのあまり、食べ残しの料理を選り分けている暇がないそうだ。だからさっさと廃棄する。むしろ中途半端に暇なところが怪しいということだろう。まさに料亭は素材のコストを考えても、まさに格好の温床だったと言えよう。
もはやこんな店には潰れてもらうしかなかろう(民事再生手続中)。今更こんな店に誰も行きたくなかろうし、接待される側でも、むしろ侮辱されているようなもんだろう。こんな店で大枚をはたいていることの方がよほどもったいない。(なんか落語みたいなオチ)
(秀)