調子に乗って、いたずらおもちゃシリーズ第3弾は「ブーブークッション」にしよう。これは小学4、5年生の頃に流行ったような気がする。ブームのきっかけはご存じ「スターどっきり(秘)報告」の一コーナーであった。小野ヤスシなどが芸能人を相手にインタビューと偽って呼び込み(カメラの画面に入るように呼ぶこと)、椅子への着席を促すとそこにはブーブークッションが仕掛けられていて、その芸能人があたかも「ブー」とおならをかましたかのようになって面白いというものである。その後、そのビデオシーンがコミカルな音楽に合わせて、何度も前後に繰り返し再生される。反芻ギャグ。子供にとってはこんな感じで笑いは単純なほど良い。
このブーブークッションを友達がおもちゃ屋で見つけて教えてくれた。お金を渡して代理購入を依頼すると、買ってその翌日に学校に持ってきてくれた。300円だったと思う。素材は伸び縮みはしないもののゴムのようだ。直径20センチくらいの丸いその物体には空気の出し入れ口があり、空気を入れた状態ではその部分が弁として機能しているが、一定以上の力が加わると、そこから空気が漏れ、そのときにこのゴムが振動し、「ブー」という音を立てる仕組みになっている。
ちょうど私がこのブーブークッションを入手したのは新年度直後で家庭訪問が行われている頃だった。近所に住む一つ年下の友達と結託し、その子の家庭訪問の際に担任の先生が座るであろう座布団の下にブーブークッションを仕掛けることにした。彼の担任は30歳代後半(当時)と思われる女性教諭だった。何度も自分たちでリハーサルをやって二人で笑い転げた。そして仕込んで本番に備えようにも、お互いそれだけで面白く、ニヤニヤと吹き出しそうになった。子供のいたずらというのはいつもこうである。それだけで笑ってしまって、場合によってはそれでばれてしまったりする。結局は怒られるのが怖くて、このいたずらは自粛し、未遂に終わった。
このブーブークッションはその後、薄っぺらなビニールでできた廉価版がガチャガチャ(ガシャガシャ)で販売されるようになったり。高機能化の一つとして、座った途端に股間から、にょきっと手が出てくるものも登場したが、私もそこまでは買っていない。
(秀)