第1499話 ■Perfume
巷で人気の女性ボーカルユニットPerfumeについて。新譜のアルバム「GAME」はCD売上ランキングの1位にもなった。3人組の彼女たちはアイドルグループ、アイドルユニットなどと称されることがあるが、それはそのルックスによるものであろう。しかし、曲から判断する実際のポジションは純粋なアイドルとは、やはり違う。自らのキャッチフレーズによると、「テクノポップアイドルユニット」とある。
テクノポップとは80年代に流行った、テクノサウンドがベースになっている。ピコピコとした音が我々の年代には懐かしく、若い層には新鮮に聞こえる。だから幅広い層の支持を受けて、今注目なのである。まさに、タイミングが良い。もしかつてテクノサウンドが流行った80年代に彼女たちのスタイルがそのままヒットできたかというと、大いに疑問である。そもそも80年代はアイドル全盛期でもあり、異質なアイドルはキワモノとして、スターボー(そんな変なアイドルユニットが当時あった)の二の舞に終わっていたことだろう。
さて、曲の方であるが、良くも悪くもやたらに耳に残る。特にサビの部分が頭の中でグルグルと。けど、サビ部分以外の歌詞は全く残らない。それぞれの声はエフェクターで効果が掛けられていて、地声ではない。そしてサビの部分の声はサンプリングされていて、キーボードの操作で弾き出される。3人のボーカルは歌うパート分けはされているものの、ハモるではなく、ユニゾンで出てくる。しかしこのような曲ではむしろユニゾンの方が生きる。3人の声を聞き分けることは、あいにく私にはできなかった。そして、アルバムの中は似た感じの曲がいくつかあった。
彼女たちはデビューから順調に現在の位置にたどり着いたわけではなく、まずはインディーズで活動し、メンバーチェンジも経ている。むしろ苦労人だろう。アクターズスクールの出身でもあるし、そのルックスもあいまって、本来は聞くだけではなく、歌っているところを映像で見るのが本当は良いのだろう。「平成のキャンディーズ」という周りが付けたキャッチフレーズもあるようだが、それはあまりにも発想が乱暴で貧困すぎる。
(秀)
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