本のタイトルである。小学校の高学年向けの本で、ちょうど50年前に最初の版が出版されていた。今でも一部改訂されて、児童書の棚などに並んでいる。かつて、物価の変動により話のリアル感がなくなったということでの改訂を20年程前に行ったとの注釈が、実際に本屋で手に取って見た、最新の版に書かれていた。

 文字通り、宿題をひきうけてお金儲けを企む小学生の話であるが、私が読んだのが約40年前で、その時の文章には、宿題の代金は20円と書かれていた。今の版ではこの部分が書き換えられているのか、もしそうならいくらなのか、残念ながら確認するのを忘れてしまった。

 夏休みの宿題ではないが、確か小4の時に、国語で読書感想文の書き方を学ぶ単元があって、実際に本を読んで感想文を書くことになったが、その際に私が選んだ本がこの「宿題ひきうけ株式会社」だった。みんなの前でその書き上がった文章を読む。まず、本のタイトルでみんなの注目を集める。「宿題ひきうけ」という怪しさの中でのインパクトを求めた。思惑は見事に当たった。

 答を作って、それをアナログながら複製する。今風に言えば、コンテンツビジネスである。一旦元となるデータを作ってしまえば、複製すればするほど利益率は上がる。そんな中、友達のお兄ちゃんだかに、プロ野球のスカウトが来て、高額な入団金が提示されるというくだりが出てくる。宿題をやってあげての20円に対し、勉強ができなくても、高額なお金が手にできる例を身近に見て、苦悩する彼らの姿があった。

 金銭感覚とか既成概念に対する、子供への投げかけのある作品だったと、当時は気が付かなかったことが、今改めて気付かされる。今の自分の視点でこんな子供向けの小説が書けたら楽しいだろうな、なんて40年経って思っている。ただ、思うだけだけど。

(秀)