<前話、第1903話からのつづき>

 議員は執行部に対して質問を行う。本来の質疑のやり取りなら、向い合ってやりとりをするべきだろうが、議場では発言席から傍聴席に向かって発言している。いったい誰向けの質問なのだろう?。何だかこの席の配置が緊張感のない会議を象徴しているような気がする。私の郷里の市議会の議会中継を見てみたら、議員は議員席の側から、ひな壇に並ぶ執行部に向き合ってやりあっていた。こちらの議員は、原稿の棒読みではなかった。再質問のやり取りもあり、たまに方言が出る。こちらは、ややおもしろい。

 現在私が住む、千葉県の某市議会に話を戻そう。執行部の回答もはっきりしない。「やります」とか「やりません」とか、あまりはっきりと言わない。現在の状況を説明し、質問された内容の問題点をいくつか挙げ、「ご理解を賜りたいと思います」と回答する。現状維持というだけの回答をするだけに作文がなされているだけ。

 この一般質問の事前通告の内容(骨子)は市議会のホームページで公開されている。ただ、実際の質問で読み上げた原稿や執行部の回答は要約であっても公開されていない。知りたければ、市議会のネット中継をライブで見るか、アーカイブで見るしかない。そして台本通りの茶番を、長々と見せられる。このスピード感にはついていけない。

 民間企業は会議の回数を減らそうとか、時間を短縮しようなどと工夫をしている。その会議の参加者の賃金を合計し、それに見合った結果を生み出したのかを検証しようなどという動きもある。市議会には議員と執行部を合わせると、70人程度の人員が数日間にわたって集まっている。その日の会議で発言するのは、参加者の2割にも満たない。私が会社勤めをしていた時は、参加者25人以上の会議を行っていけない、というルールがあった。また、何の発言もしない者は「出席するな!」ということも、表現は柔らかく示されていた。議員は会議を行うことを仕事として選出されているわけだから、その回数や時間を減らせと言うつもりはないが、それに見合った成果がアウトプットされているのかを求めたい。質問の予定がない議員も座っているだけで、会期中は日当までもらえるのではなかったか?。(松戸市議会の例では、議会開催中の日当は出ていない、30年ほど前に廃止されている、とのことを教えていただきましたので、追記いたします。2016/09/23)

 さて、このように結構なコストを掛けて自分たちの身近な問題が議論されているのだが、市民のほとんどはその内容を知らない。主要な話題については新聞報道されるだろうが、その他の結果については、主な議決については公報資料にて開示されているものの、読んでいない人がほとんどだろう。ましてや、一般質問の内容などはその議員が自身のチラシやホームページで告知しないと市民は知る由もない。このあたりが積年の課題なんだろうなぁ。ただ、当方の調べによると、きちんとこれらの情報を更新している議員はほとんどいなかった。

(秀)