第2017話 ■コロナ自粛要請への反応について

 昼間のワイドショーなどをテレビで見ていると、ここ数日は辟易としてしまう。政府や体制に対し、批判的なことをマスコミの使命だと錯覚しているのかもしれない。まあ、これは良かろう。森友でも桜を見る会でも、検事長の定年延長問題でも良い。ただ、その声が政権なりに届くわけでなく、飲み屋でくだを巻いて、天下国家を論じているのと大した差異はない。ただ、電波に乗っている分、一般人への影響は大きく、その分たちが悪い。

 特にここ数日の私が辟易としている内容は、政府や東京都の自粛に対する反応である。学校の一斉休業のときもそうだった。大半のワイドショーがこの自粛等の決定に対して、批判的なことしか言わない。人々の負担は些末なものではない。しかし、今は全体として協力し、この難局を乗り越えないといけない。海外での封鎖された街の映像にもっと危機感を感じないといけない。

 所詮、番組のコメンテーターなどのほとんどは、その分野の専門家ではない。また、判断の元となっている情報についても、マスコミなどからのレベルでしかないはず。それに対し、行政側では、専門家の意見や持ち合わせている情報については質の面でも量の面でも圧倒的な違いがある中で、その時々で判断をしている。何ら責任のない、芸能人のSNSの内容(特に批判的なもの)をわざわざ伝えるネットニュースも、いい加減こんなことはやめた方が良い。

 学校の一斉休校から相当時間が経ったことと、新学期からの再開などという報道で、人々の緊張が緩んだんだと思う。しかし、潜伏期間という時差がある。今の状況、特に東京の状況は、約2週間前に感染したもの。よって、気の緩んだこの先2週間程度の変化が怖い。もし、今回のチャレンジに失敗してしまうと、早々に3週間程度の外出禁止を覚悟する必要がある。

 今マスコミ、特にテレビメディアがやるべきことは、自粛すべき理由や自粛への協力の呼びかけだと思う。補償の問題、これも重要ではあるが、まずは生き延びるために最小限の負担での取り組みを成功させないといけない。

(秀)