第1111話 ■牛丼最後の日
- 2004.02.10
- コラム
国産牛では何匹も狂牛病の感染牛が見つかりながらも、しばらくすると我々は平気に牛肉を食っていた。それに比べると、今回の一匹の米国からの感染牛の方がはるかに影響力が大きかったような気がする。これでオーストラリアでも感染牛が見つかろうものなら、ハンバーガーまでもアウト。それにしても何でこんなにタイミング悪く、鳥インフルエンザも登場するんだろう。
アメリカ人は結構平気で狂牛病が見つかろうとも国産(米国産)牛を食っているようだ。それこそ生活が成り立たないからだろう。吉野家で行列を作っている人々も「今さら牛肉を食って病気になるくらいなら、とっくになってるよ」とニューヨークの街角の人々と同じようなことを言っていた。確率からいけば、交通事故で死ぬ確率の方がはるかに高い。
牛丼屋に列をなしている人々が別に毎日牛丼を食べているわけではない。牛丼が消えることは、確かにこの人たちの食生活に影響を与えるだろうが、別に食べるものがなくなるわけではない。それよりも米国産の牛肉が店頭からなくなったことで牛肉の小売価格が上がっていることに注目して欲しい。牛丼の話よりもこちらの方が家計への影響が大きいから。豚肉も上がっているようだし。
吉野家の牛丼メニューが明日を最後にしばらく姿を消すらしい。わざわざマスコミまでも大きく騒ぐから、「それまでにもう一度」というあまり熱心でない客層までも店に駆けつける始末になって、在庫が切れてしまうのが早まってしまったではないか。
(秀)
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