第1140話 ■ホウレン草の缶詰論
小さい時にテレビで見ていた、あの「ポパイ」。あれはどの局でやってたんだっけ?。最近は見掛けなくなった。いつも決まったストーリー展開である。特にギャグの要素があるわけも無く、前半にブルートにやられていたポパイが、後半、ホウレン草を食べることでパワーアップし、ブルートをやっつけてしまうというものだ。
変身ものの元祖はここにあったような気がする。ところでこのキーアイテム、ホウレン草についてである。どんなにやられていようとも、これさえ口にすれば、ポパイはたちまち回復し、パワーアップもする。子ども心にあこがれたものだ。ホウレン草を食べると強くなれると、ホウレン草を食べさせられた記憶がある。しかし、その一方で大きな疑問。ホウレン草の缶詰なんか見たこと無かった。
周りにいろいろと尋ねたところ、たまたま一人、子どものときに缶詰のホウレン草を食べたことがあるという人に出会った。しかし、その人の記憶は希薄で、味についても、肝心の缶のデザインがどんなものであったかなどについても話は聞けなかった。高級デパートの食料品売り場や紀ノ国屋のような店にはあるのだろうか?。
ふとある本を読んでいてポパイのホウレン草のことが思い浮かび、こうして文章を書いている。それは戦時中の食料品等の補給の差について書かれていた。第二次大戦中、米軍は多くの食料を缶詰の形で保存し、運搬していたらしい。ポパイが食べていたホウレン草の缶詰もそもそもはこういう用途で作られたものと思われる。戦争はまた補給戦でもある、と言われるが、その影響がアニメにも見られたわけだ。
(秀)
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