第1179話 ■報道スタッフへの怒り

 地震発生から5日目。今日の話題は親子三人を乗せた車からの救出劇だった。現時点で子ども一人の生存と母親の死亡が確認されている。夜テレビのニュースを見ながら驚いたことに、救出作業の様子が映像で流れていた。昼間はリアルタイムで流していたと聞く。

 ところでここからは通勤途中のラジオで聞いた話。地震以来、車の中で過ごしている人々も多いだろう。そんな中、手頃で確実なメディアはラジオとなる。聴取者からのメールで被災地や避難場所で様子が伝えられていた。

 テレビで現場の様子を伝えてくれる報道スタッフは被災者の人々の救援や手伝いは一切やらないらしい。救援物資が届いても運んだり、配ったりといった作業を手伝ったりしない。そして困った人々の様子をカメラに収めたり、マイクを向けインタビューをしている。病院に運び込まれた人に群がり、行く手を阻む。

 自分たちはきっと食料も潤沢に持ち込んでいるんだろうな。防寒対策も万全で。確かに現場取材は大変な仕事かもしれないが、それ以上に被災者は苦しんでいる。彼らの姿が被災者達の感情を逆なでしているのではなかろうか?。そんな人々が救出劇を流している。いったい誰のための報道なのか、改めて疑問に思う。

 自分の目で確認したわけではないので本当かどうかは断言できないが、今回この話を聞いて、ニュースを見ていると腹が立つ。あながち嘘でもなさそうだし。こんな人々の口から「支援が求められています」とか言われてもなぁ。

(秀)