第1421話 ■ドラマにおけるスポンサーとアイテムの関係
日曜日の夜のTBSドラマ「佐々木夫妻の仁義なき戦い」の第1回目の放送を見た。稲垣吾郎と小雪がともに弁護士で夫婦であるが、離婚に向けて毎回事件が起きるといったストーリーのドラマだ。小雪演じる律子は仕事では有能な弁護士であるが、家事はからっきしダメで、特に掃除や洗い物、片付け物ができない。リビングはゴミ袋であふれ、台所は洗っていない皿などであふれている。ついでに事務所の彼女の机の上も散らかっている。
いくら共働きでも、ここまで家事を放棄して良い筈はない。けどこの設定にちょっと妙な感じを受ける。そもそもこれほどの収入があり、忙しい共働き夫婦であれば、食器洗い機があっても良さそうな気がするが、それがない。そして本当に忙しかったり、自分でやりたくないのなら、家政婦を雇うことも収入的には問題ないはず(二人で共同の法律事務所を持っていて、雇われ弁護士ではない)。一方、これだけ部屋が汚れていながら、洗濯はどうしているのだろうか?。
さて、今回このドラマを例に私が注目したいのはドラマの出演者とスポンサー、それにドラマに登場してくるアイテムの関係だ。まず、二人が住む部屋のリビングに大きな薄型大画面テレビがある。映像から機種は特定できないが、出演者の小雪がビエラのCMをやっているから、これはビエラではないかと想像する。このドラマはかつて東芝日曜劇場の枠で、もしそれが続いていたとすれば、小雪主演のドラマなど実現しなったことだろう。しかし今は東芝もスポンサーを降りている。
ドラマで出てくる携帯電話は番組スポンサーのDoCoMoに違いない。小雪のそれはビエラ携帯だろう。台所ではスポンサーの食器用洗剤が並んでいた。汚れたままではなく、最後は皿もこの洗剤で洗ったので、スポンサー的には一安心だろう。車はトヨタのスポンサーでレクサスとハリアーが登場していた。これもセオリー通り。デジカメとビデオカメラが出ていたが、あいにくメーカーやブランドは分からなかった。
私が驚いたのはパソコンである。デスクトップパソコンが事務所と自宅で登場する。パナソニックとなるとノートパソコンはあるが、デスクトップパソコンはない。注目していたら液晶ディスプレイの背面にエプソンのロゴがあった。このドラマで最もブランドが分かりやすいアイテムだった。しかもそれは事務所と自宅とで数回映り、ノートパソコンも登場し、それもエプソンだった。スポンサーでもないエプソンをどうしてここまで取り上げるのか非常に不思議だった。
このドラマ、最終的には離婚などせず、うまく仲直りしてのハッピーエンドだろう。
(秀)
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