第1527話 ■類似犯罪

 類似犯罪が後を立たない。食品偽装事件に殺人予告等の書き込み。前者の最近の話題は「飛騨牛」丸明に「うなぎ」魚秀。従業員に罪を着せようとしたり、口止め料を払ってまで隠蔽を貫こうとしたり。これまでのミートホープや吉兆をめぐる報道を彼らはどのような気持ちで聞いていたのだろうか?。

 もう1つの類似犯罪は殺人予告等の書き込み。類似模倣犯罪というのが適しているかもしれない。先日の秋葉原連続殺傷事件以来、ネットの掲示板に同種の犯罪予告を書き込む輩が後を絶たない。果たして全部が検挙されているかどうかは分からないが、これらの容疑者が逮捕、送検されたことも多く報道されている。

 警察もネット内のパトロールを強化するとともに、掲示板の利用者からのタレ込みもあるらしい。もはやネットを利用して、世間を騒がして面白がろうなんて規模が大きければ大きいほど必ず足がつくもんだ。にも関わらず、軽い気持ちで、気晴らしで、面白がって書き込みをする。一体彼らの頭の中はどうなっているのか?。

 裁判を傍聴していて思うこと。初犯の場合は捕まってから初めて、自分が犯していた罪の重さに気が付くケースが多い。自分だけは捕まらない、といった軽い気持ちが多い。そして後悔している。捕まった殺人予告書き込みの模倣犯もきっとこんな感じだろう。しかし、執行猶予では抑止力としては弱い。同種の犯罪を未然に防ぐ上でも、たとえ短期間でも執行猶予など付けずに実刑にするのが良いと私は思っている。

 もう一方の食品偽装も、単なるJAS法違反などには止めずに、詐欺罪を適用するなどして罪をもっと重くするべきだと思う。現行法規では難しいのであれば、法改正を行ってでも。しかし、このような偽装事件の報道がなされる度に、「氷山の一角」といった思いがよぎり、いずれにしても後味が良くない。

(秀)