第398話 ■バスを待つ心理

 通勤の際、家から最寄り駅までの往復にはバスを利用している。駅まで歩けない距離ではないし、気候が良く雨が降っていなければ自転車という手(足?)もあるが、寒くなってしまうと毎日がバスとなる。さて、バス停が見えてくると、人が並んでいたりいなかったり、あるいは大量に並んでいたり。まず、人が並んでいないということは、バスが通過して間もないということである。ちょっと待つ覚悟がいる。並んでいる人が多ければ多いほど、前のバスが通過して時間が経っている=もうすぐ次のバスが来るかな?、ということを示している。しかし、あまりに人が多いと乗れない可能性もある。

 この時点で歩く決心をして駅に向かえば、遅刻をすることなく会社には着く。歩く時間は約20分。しかし、バスに乗ってしまえば、たとえ途中で渋滞があってもバスに乗っているのは五分程度である。歩いている横をバスが通り過ぎて行ったことが何度あったことか。このときはとても悔しい。

 とりあえず、バス停に並ぶ。5分なら何の問題もなく並んでいられる。ほとんどの確率で5分以内にバスはやって来る。しかし、たまに冷や冷やさせられる場合がある。待ち時間が10分を過ぎるとちょっと迷いが生じる。「今ならまだ歩いても間に合う」、しかし「ここまで待ったんだから、もうすぐバスは来るさ」。とりあえずこのまま待つとして、さらに五分が過ぎた。待っている時間が長くなれば長くなるほど、身動きが取れなくなる。「今さら駅まで歩いていたのでは遅刻してしまう」。もう、バスを待つしかない。ちょうどパチンコに負けている時の心理に近い気がする(きっとこんな感じだよね)。