第422話 ■校長先生のお話 ~三学期
- 2001.01.12
- コラム
「みなさん、あけましておめでとうございます。今日からいよいよ三学期が始まります」という言葉で三学期始業式の校長先生の話は始まった。そのときの私は小学校の二年生であった。三学期というのは短いのと遠足や運動会といった華やいだ行事もないため、子供達には何かと面白味に欠けた学期となりがちである。そんな三学期冒頭の学校長訓話は「三つの饅頭」と題された以下のような話だった。
「皆さんがとてもお腹が空いているときに、目の前にお饅頭がありました。まず、一つ取って食べてみました。けれどもまだお腹は空いています。もう一つ食べました。まだ、お腹がいっぱいにはなりません。そこでもう一つ食べることにしました。この三つめの饅頭を食べたら、ようやくお腹がいっぱいになりました。饅頭を三つ食べたからお腹がいっぱいになったのです。三つ目の饅頭だけ食べたのではお腹はいっぱいになっていません。勉強も同じです。一学期、二学期と皆さんは頑張ってきたと思いますが、仕上げの三学期も重要です。・・・」。
普通なら忘れてしまう小学校の校長先生の話を二十数年覚えているのはどういう因果か?。それにひきかえ、当の校長先生は翌年の三学期の始業式にも同じ話をしてしまった。だから二十数年覚えてられたのかもしれない。
(秀)
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