第497話 ■アンモナイトブームに向けて

 6年生の理科の時間に化石について学んだが、その際、担任の先生が「家に化石がある人は持ってきて下さい」と言った。残念なことに我が家には化石などない。しかし、クラスの何人かは家から化石を持ってきた。その中でもある女の子は直径5センチほどのアンモナイトの化石がいくつもより固まった化石を持ってきた。多分家の人が集めているのだろうが、子供心にその化石を持ってきた女の子がうらやましかった。

 我々が知っているアンモナイトは、中生代のジュラ紀や白亜紀のもので、恐竜が栄えていた時期と重なっている。アンモナイト自体はこれよりも2億年以上も前から生息し、当時は渦巻きがなかったようであるが何度かの繁栄と衰退を繰り返し、あの渦巻きの形をもって、約7千万年前に絶滅したらしい。

 JR上野駅の中に「THE STUDY ROOM」という、科学教材を扱う店がある(店の詳細は第498話で)。そこで、アンモナイトの化石を売っていた。小さいものは380円。大きさはエビピラフのエビぐらいである。同様に三葉虫の化石は650円。程度の良いものとなると、ショーケースには直径20センチ以上の化石が10万5千円で並んでいた。意外に安いのか、高いのか。

 そこで長男はアンモナイトと三葉虫の化石を買って、結構喜んでいる。ベイブレードブームの到来を予感した私としては、次はアンモナイトブームの到来を予感した。というか、今回ばかりはちょっと願望が強いけど。少なくとも息子達の通う学校だけででも流行って欲しい。するとこんな会話が聞かれるかもしれない。「まゆちゃん、新しい化石買ったの?。ねえ、見せて、見せて!」。新しいも何も、いずれも7千万年前の代物なのだが。

(秀)