第54話 ■二股の女
仕事中に休憩を取って隣のビルのコンビニに出かけた。そのとき、店内に流れている有線放送で、男女デュエットのコミカルソングを耳にした。彼女の浮気を気にする男性が色々と探りを入れる歌詞で、それに対し女性は「あの人は宅配の人」とごまかそうとする。男性はそれでも「こんな夜中に宅配か?」と疑ってみるが、結局女性に騙されてしまう内容だ。曲の最後は「二股の女」というコーラスで終わる。
二股の女というとやはりロンブーの”ガサ入れ”だろう。あの番組に出て来る女性のほとんどが結果「クロ」である。二股ではすまないケースもある。そのため、見る側もテレビに容疑者の顔が出た途端に「クロ」と思いこんでいたりする。確かに最近は「シロ」のパターンも出たりするが、視聴者的にこれでは面白くない。これまでの放送では感覚的に約95パーセントが「クロ」といったところか。この前は踏み込んだ先に男性がいて、彼女は依頼者とつきあっているとは思っておらず、調査もなく「クロ」となった。
それにしても、「よくもまああんなに証拠を残すなあ」と思う。手帳の類のことだ。部屋はグチャグチャでも手帳に証拠を几帳面に書き残すまめさとのギャップが面白かったりする。いずれにせよそれで足がつくわけだから、ツメが甘いことには間違いない。「あれはヤラセなんだよ」という話も聞く。おそらくそうであろう。もし実話ばっかりだとしたら、ロケには行ったものの、本人の抵抗で放送できないものだらけになってしまうであろう。もし実話ばっかリだとすると日本はそうとうやばい所まで来ている気がする。
コンビニから戻って早速、さっきの曲のタイトル探しを試みた。第一興商のカラオケ(BIG ECHO)のWebで「二股の女」というタイトルで検索出来た。歌手は東京プリン。これで間違いはないだろう。パートナーの女性が誰かは不明だが。自分のカラオケのレパートリーに追加しようかな。ついてはパートナーを募集しよう。実際に二股の女かどうかはこの際問わない。