第645話 ■ドアにドア?

 随分前に冷蔵庫を開ける癖について書いた(第52話「少数派」)。ただ何となく気になって頻繁に冷蔵庫の扉を開けてしまう話だ。このタイトル通り少数派に限った行動かと思っていたら、どうやらそうでもないらしい。娘の友達が遊びに来て、その子(当時は幼稚園児)が勝手に我が家の冷蔵庫を開けようとした。家人が慌てて彼女を制止し、注意を与えたようだ。その話を聞いていろいろ考えた。「自分のところの子供は大丈夫だろうか?(、他人様の家で同じ様なことをしてないだろうか?)」、「自分は昔そんなことをしたことがないか?」。ついでに、「その子の家の冷蔵庫には、よほど楽しいものが入っているんだろうな~」とか。その一件以来、我が子の冷蔵庫チェックに対する家人のチェックが厳しくなった。

 最近、日立の新型冷蔵庫のCMで気になることを言っていた。子供が頻繁に冷蔵庫を開け閉めするので冷気が逃げて困る、と。そこで、頻繁な開け閉めでも冷気が逃げないようにと、ドアにもう1つ小さいなドアを付けた冷蔵庫を開発し、子供の頻繁な開け閉めでも冷気があまり逃げない、とCMを流しているわけだ。

 ちょっと待て!。その小さい方の扉からもジュースなどは取り出せるだろう。しかし、子供が冷蔵庫を開け閉めする理由はそのためだけなのだろうか?。ただ単に冷蔵庫の中を見たいだけ。そこに、ジュースがあればうれしいし、チョコレートがあればうれしい。見ることが直接的に目的だとすれば、小さな扉を開けただけでは満足せず、やはり大きな扉を開けようとするのではなかろうか?。

 若い人は知らないかもしれないが、昔の冷蔵庫にはカギが付いていた。扉は1枚で、フリーザーや野菜室(らしきエリア)は中で仕切られていた。当時も冷蔵庫を頻繁に開け閉めする子供がたくさんいたからだろうか?、それとも、つまみ食い防止用だったのかな?。

(秀)