第781話 ■嗚呼、日本代表チーム

 これで事実上、日本国民の多くにとってのワールドカップはその幕を閉じたのではなかろうか?。何だか虚しい。その原因の一部はその時間にゲームを見ることが出来なかったからだろう。まさか先週金曜日に会社を休んでおいて、この日も、というわけにはいかない。1点先取されたことも、そのままゲームが終わってしまったことも刻々とほぼリアルタイムに情報を得ることはできた。しかし、ゲームの様子はニュースでゲームのハイライトシーンとして見ただけだ。結果が分かっているだけにやはり面白くない。ましてや負けゲーム。

 ハイライトシーンであるため、全体の様子は分からないが、トルコが攻めているシーンは例のコーナーキックからヘディングシュートの部分のみ。あとは盛んに攻め立てる日本チームのシーンばかりだった。「本当にこんなに攻めていたのかな?」。実際がどうであったか、まだ、確認できていない。

 虚しさのもう一つの原因は負けっぷりにあると思う。「負けた気がしない」と談話を残した選手もいた。「惜敗」、「よくがんばった」。けど、私には釈然としない。いくら攻めていても、ゴールできなければ得点は入らない。逆に決定力不足を嘆く。0.5をいくつ集めても、柔道みたいに1にはならない。見事なゴールであろうと、凡ミスによるへなちょこゴールでも1点は1点。あの1点はパスミスが原因で納得のいくゴールではなく、しかも盛んに攻撃をしていたからこそ、取り返せる期待があった。しかし、結果として取り返せなかった負けっぷりに虚しさを感じている。別に彼らを批判するつもりはない。しかし、満足感のある負けっぷりでないことは彼ら自身が一番感じていることだろう。

 「ここまで行ったからには」、と国民の多くに欲が出てしまった。もちろん、選手たちは国のため、サポーターや国民のためにがんばったわけでなく、自分の夢のためにがんばったに過ぎない。周りが勝手にそれを喜んでいただけ。けど、それでも良いじゃないか。そして、これだけ国民が一体となって、彼らを応援し、感動を共有し、つかの間の祭りを楽しんだ。しかし、それももうおしまい。虚しさの原因の残りは、祭りの後の虚しさに通じている。

 負けたことが虚しさではない。テレビを見ながらリアルタイムに一緒にワクワクできなかったこと。勝ち負けはさておき、不完全燃焼の感があること。そして祭りが終わってしまったこと。これらが私の虚しさの原因だったようだ。勝敗は別にして、もっと何試合か見ていたかったなあ。

(秀)