第780話 ■逮捕へのカウントダウン

 鈴木宗男議員の逮捕まで秒読みの段階になった。こんな常套句をマスコミなどは使用するが、本稿執筆時から逮捕が予想される19日の日中までは約40時間。1時間は3600秒だから、その40倍。「誰が秒読みなんかするんじゃ?」。まあ、はやる気持ちは分かるが誰も数えてなんかいない。我がWebサイトでカウントダウンタイマーを設置してやろうかと思ったが、ターゲットとなる肝心の逮捕の時間がわかっていないのではこれまた意味がない。

 意外にも逮捕の直接的原因はムネオハウスでもディーゼル発電所でもなかった。まあ、いずれこの件でも再逮捕、追起訴されるであろうが、今回はわずか500万円の金でつまずいたことになる。本当に彼にとってはわずかの金で、「これぐらいの金」という感覚であったであろう。「やまりん」への便宜を林野庁の役人に、半ば恫喝して、執拗に求めたのもいつもの調子であって、彼にとって今回の件もまさにいつものこと。だからさほどの罪の意識もなかったはず。任意の事情聴取で否認しているのはとぼけているせいもあろうが、そもそも罪の意識がなかったのも事実だろう。ただ、罪の意識があろうとなかろうと罪は罪として裁かれる。

 国会議員には国会会期中の不逮捕特権があるため、彼を逮捕するには国会(所属する院)の承認が必要となる。この手続きのために、約2日を要している。本会議に先立ち、衆議院の議院運営委員会が秘密会で開かれる。彼はそこで弁明をする予定らしい。そこでかつて議院運営委員長を務めた男がその委員会の場で弁明をする。多分この感じでは逮捕されようとも、起訴されようとも議員辞職することはないだろう。もちろんその間も彼に対する歳費や旅費などの手当ては払われ続けられる。

 逮捕当日は一日中この話題だろう。ワールドカップ日本代表戦をわざと避けた感じである。永田町のおじさんたちもゆっくりサッカーを見ていたいのだろう。小泉首相をはじめ、周辺議員たちの話を聞いてもこれといった目新しい事はない。山崎幹事長なんか、「一国会議員として...」と発言。鈴木宗男を衆議院の比例区で自民党候補として当選させたことへの責任など微塵も感じていない様子。これまた頭にくる。

 どうせ同じ穴の狢(ムジナ)。彼の話をこれ以上聞いても無駄。それよりもワイドショーマスコミは、「(逮捕されるようなことがあったら)自ら議員バッジをはずさせる」と言った松山千春を追え。

(秀)