1999年

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第43話 ■夏をあきらめて

 ノストラダムスの予言の日までとうとう1ヶ月を切ってしまった。さあ、今年の夏のことなどあきらめて、好きなものを買って(もちろん借金で)、今を楽しもう。うまくいくとそれで景気が回復するかもしれない。そのときが来なければ元も子もないが、それはそ […]

第42話 ■タイムマシン

 高校の退屈な午後の授業中に「タイムマシンの可能性」について考えたことがある。授業の内容とは全く関係ないけど。その結論は「タイムマシンはできない」。単純だが極めて論理的な理由がある。まず、自分がタイムマシンを手に入れたとすると、どうしたいか […]

第41話 ■特殊能力刑事

 最近の刑事ドラマは不況のせいか、派手な撃合いやカーアクションを見せ場としたものがめっきり減ってしまった。その一方で、最近の主流は一般の刑事にはない、特殊な推理力や知識で事件の解決を図るものである。  中森明菜演じる杉嶋刑事(階級はたぶん警 […]

第40話 ■今日の天気は?

 近くの中学校の運動会(体育祭)に行ってきた。別にその学校を卒業したわけでも、身内が通っているわけでもない。普通の市立中学校で「お受験」の対象校というわけでもない。  着いたときには障害物競走が行われていた。スタートの時点で各自、布切れを持 […]

第39話 ■金儲けの電話

 会社によくテレセールスの電話がかかってくる。先日も「マンション投資での節税と貯蓄の話です」という電話であった。「節税と言っても『住宅取得控除』で所得税は全額還付されてます」と言っても、「住民税の還付の方法もあります」と熱心なので、通常なら […]

第38話 ■はたらくひとびと

 病気で学校を休んだりすると、退屈でしょうがない。テレビを点けても、子供にはワイドショーなど興味がない。唯一の救いはNHK教育テレビである。「○年生の理科」や「大きくなる子」なんて番組が当時あった。そして、忘れてはならないものに「はたらくお […]

第37話 ■フェイク

 宇多田ヒカルのファーストアルバムが爆発的なセールスを記録している理由の1つに「詩の内容が良い」という声を聞くことがある。同年代にはシンパシーを与え、それよりも上の人々にも16歳の原寸大の感覚というキーワードで称賛する人々が多い。プロデュー […]

第36話 ■スティーブからのお告げ

 スティーブとはスティーブ・ルカサーのことである。アメリカのTOTOというバンドのギタリストである。約20年前にデビューしたバンドであるが、現役である。私が高校生のときにグラミー賞のアルバム賞やシングル賞などを総なめにした。先日彼らが来日し […]

第35話 ■駄菓子屋

 子供のころよく通ったその駄菓子屋は通称「こども店」と呼ばれていた。看板には「井上商店」と書かれているにもかかわらず。だが、うちの母親などは「かっちゃんがた(『がた』は○○の家の意の方言)」と呼んでいた。理由を尋ねると、こども店は婆さんが一 […]

第34話 ■ドラマの見方

 大学まで田舎で生活していたため、テレビでドラマを見ていていろいろと不思議に思うことがある。場所や舞台の所在地が分からないので、そこに込められた暗黙の設定など分かるはずもない。例えば、「金曜日の妻たちへ」に出てきた、たまプラーザというのがど […]

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