2002年12月16日

第905話 ■お見合い道場(5)

 さっきの番頭男の一人がある箱を持って現れた。おとぎ話の本で挿絵として見た、浦島太郎の玉手箱のような漆塗りのたいそう立派な箱だ。うやうやしく、その箱を番頭男は師範に差し出す。師範が箱に深々とお辞儀をしてからその蓋を開けると、中にはもう一つ桐 […]