第136話 ■ヨーヨーチャンピオンがやって来た [前編]

 つい最近も子供達の間でヨーヨーが流行っていたが、私が調べたところによると、ヨーヨーは昭和38年に最初のブームが来て、その後は昭和51年頃、そして最近のブームと実に3度のブームが訪れているらしい。それぞれには仕掛人がいて、最初のブームは森永乳業が「コーラス」の販促材として配ったのが発端。2度目のブームはコカコーラと、いずれもヨーヨーは販促材でしかなく、それによって企業が利益を得ようという性格のものではなかった。しかしながら、最近のブームはおもちゃメーカーが少年雑誌などを媒体に作り出した商業主義的なブームであった。だから、売られているヨーヨーも数千円という驚きぶりである。

 リアルタイムな体験を伴う話となるとやはり、2度目のブームである。このコカコーラのキャンペーンというのは、コーラ、ファンタ、スプライトのホームサイズ(当時はこれが一番大きなサイズだった)をいずれか二本買うと、ロゴ入りのヨーヨーを買うことができるというものであった。ただ、このルールはいい加減でジュースを買わなくてもヨーヨーを売ってくれる店がほとんどであった。ヨーヨーは大きく3タイプある。もっとも高いものが350円。赤のボディにコーラのロゴ、ベゼルと言うべきか、外周は透明のプラスティックで、他のものより高級感からか心持ち重たかった。スタンダードなものは250円で、350円のものとボディは同じようだが、ベゼルが白のプラスティックでそれなりにチープに見えた。ボディがコーラの他にもファンタとスプライトがあり、カラーもイメージにあわせて、オレンジ、グリーンというのがあった。最も安いのが100円で、これはボディがアイボリーカラーでビンの王冠の形をしていた。実は最初にこれを買ったのだが、周りが250円のを買い始めたので自分も当時好きだったスプライトのそれを買った。

[後半に続く]