第1660話 ■変わらないメールアドレスを

 自宅でパソコンを使用するようになって、この間にいくつかのパソコンを乗り換えてきたが、そのときどきのデータはメールも含めて、きちんと引き継ぐ形でやってきた。ところが、この間にメールソフトの切り替えも行っていて、データ自身はあるものの、過去のメールがすぐに見られるような状態にはなかった。

 そんな中、コラムの発行10周年が近づき、当時を今一度振り返る上でも、過去のメールを何とか今のメールソフトに移行できないかと考えた。実際にやってみると、作業は意外にも簡単で、フリーソフトやメールソフトのエクスポート、インポートの機能を使用することで、直接ではないが、二段階に分けてコンバートを行うことで、過去のメールを今のメールソフトに取り込むことができた。

 そこに現れた、99年からのメールを目の当たりにして、「懐かしい」と、メールを復活できたことに改めて感激した。まあ、コラム開始当初はWebサイトもメルマガもなかったため、コラムの感想メールが届くようになったのは、これらが始まったその年の年末からだった。

 そこで今回、これまでメールを送ってくれた読者諸氏にメールを送ってみることにした。そのアドレス数は約100であるが、今となってはそのほとんどがメールアドレスが変更されていて届かないものと思われる。会社や学校といった所属組織が変わっているだろうし、プロバイダーを変更したりというのも大いに考えられる。また無事にメールがメールポストに届いたとしても、ほとんど使用していないアドレスで、メールが眠ってしまう可能性もある。うまく先方の目に触れ、読んでもらえるのがどれほどだろうか?。

 私も最初はオリジナルのドメインでなかったため、10年前は別のメールアドレスを使用していた。その後約9年はオリジナルドメインを使用しているので、メールアドレスは変更していない。メールアドレスが変わるたびに、新しいメールアドレスに転送してくれるサービスがあるとすれば便利だが、あらゆるドメインが対象となるとそれは無理な話だ。

 メールアドレスの寿命とは総じてどれほどなのだろうか?。私はこれからも一生変わらないメールアドレスからコラムなどを発信し続けていこうと思う。組織やプロバイダーには依存せず、それが私のアイデンティティーにもなっている。

(秀)