第2050話 ■リテラシー教育を優先せよ

 テレビを点けたら、嫌な芸能人ってやつがまた出てた。以前はそんなことさほど気にならなかったが、齢を重ねるにつれ、そう思う頻度が増えてきた。ますます親父に似てきたな、とちょっと苦笑いしてしまう。

 そこで急いで思考を修正する。「こいつ全く面白くない」とか、「品がないんだよ」と言ってみても、彼らは私より格段に稼いでいる。そして、彼らが面白かろうとなかろうと、自分はテレビに出ることすらできない。この現実は認めないといけない。こうして一方的に悪態をついて留飲を下げることは回避できた。かと言って、自分が彼らのようになりたいとかは思わない。

 自分はどうありたいか?、幸せとは何か?、の判断基準はそれぞれあって良い。できればそれらをお互いで認め合って、尊重しあえるような世の中であって欲しい。しかし、世の中にはいろいろと世知辛いことが多い。それどころか、他人を貶めることで一時的な憂さ晴らしをするような人が増えてしまった。

 学校でコンピュータのプログラミングを教えることは、現在の記憶偏重の教育に比べると思考力を養う上で極めて有効だ。ただ、表面的なプログラミングのテクニックが表面に出過ぎたり、「自分には関係ない」という新たな苦手意識を生み出しては意味がない。

 情報リテラシーなる言葉がある。プログラミングを教えるよりは、このリテラシー教育の方を優先させる方が、きっとより多くの人が幸せな世の中に近づくはず。生徒一人1台のパソコンといった教育環境の整備は大きな一歩。しかし、プログラミングができないとパソコンが操作できない時代ではないのだから、プログラミング教育よりもリテラシー教育の方を優先して欲しい。

(秀)