その本の奥付を見てみたら、「2011年1月初版」とある。私は4年ほど前にある人の薦めでこの本を買って読んでみたが、結果としては、ときめかなかった。書名:「人生がときめく片づけの魔法」。

 世はまさに、片付けブームだった。断捨離という言葉が世に出始めたのは、このちょっと前だったのではなかろうか?。片付けの基本は捨てることにある。まず持ち物を捨てて減らすことから始めないと片付けようがない。しかし、自分の場合はこの捨てることができなかった。

 ある意味、私はコレクターである。そんなに頑張って何かを集めているつもりはないが、文章を書くために資料としての雑誌や書籍はあるし、当時モノの懐かしグッズも多少持っている。手に触れてみて、心がときめかなかったら、それは捨てる、というルールなど全く意味が無い。積極的に集めたものなのだから、心がときめかないわけがない。

 この本を読んで、実践できないようなら、この本を捨ててしまうように勧められている。ただ、それならばとやすやすと捨てるわけにもいかない。しょうがないから、家人に本を渡してみたら、題名を見ただけで突き返された。まあ、この本に限らず、本は読んでおしまいではなく、実践しないとその内容が生きてこない。ビジネス書でも自己啓発本でも、頭の中で理解できても、実際にその行動を起こす人は少ない。それでいて、次の本に手を伸ばす。ある種そういうニーズにより、出版業界は支えられている。

 さて、そんなことから数年。モノを捨てることに関して、快感を得られるようになった。書類をバッサリと捨てて、スッキリ!。そのまま捨てられない場合は、スキャナーで読み込んで、元の紙は捨てる。いざ、探す時の手間を考えると、電子ファイル化して保存しておいた方が何かと便利だと思う。ただ、そうそう、これらのファイルを探すような場面はない。

 ここでのポイントは、紙などを捨てることで、それにまつわる様々な煩わしさを捨てることだと思う。別に紙に限らず、何かと一緒にそれにまとわりつく煩わしさを捨てるのは気持ちが良い。クリップ付きのボードに束ねている、裏紙のメモ用紙ですら、ビリビリと破いて捨てる瞬間は気持ち良い。

 50歳を機にというわけではないが、記憶の整理をしながら、持ち物の幾つかを整理するように心掛けてみた。周りにあるモノを少しずつ、場合によっては、ゴミ箱に放るだけでも、ちょっと気持ち良くなる。残念ながら、冒頭の本の影響というわけではなさそうだが。

(秀)