第1337話 ■若楠国体

 今年は高校総体が私の郷土で行われているということで、ちょっとこのことが気になったりして、郷土の新聞のサイトを覗いてみたりしている。開会式で大量の熱中症者が出たらしい。暑い中、外での開会式は相当酷なことだろう。何やら、日本で一番宿泊施設の少ない県ということで、そのあたりも大変だったらしい。

 さて、このような前項規模の体育イベントというと、私が小学4年生の時に、地元で国体が開催されたことを思い出す。「若楠国体」。このタイミングでメイン会場付近の道路が整備されたような気がするが、私が住んでいるところはそこから離れていたので、あまりそのような恩恵はなかった。一部の大人たちにとっては大変なイベントなのかも知れないが、私の周りでは大した変化もなかった。

 そんな中、小学校で授業の一環として、このメイン会場である総合グランドに2度見学に連れて行かれた。子供の足で1時間余り、1学年まとまって、ぞろぞろと歩いて行った。そのうち1回は開会式の総練習(確か、模擬国体と言っていた)だったが、もう1回が何だったかは、あいにく覚えていない。けど、確かに2回行った。

 開会式の総練習なんか退屈でしょうがない。選手入場ではプラカードを持った人が歩いてくるだけ、やっている方は真剣だろうが、見ている方は面白くも何ともない。それがまた長い間続く。開会式の後のレセプションというか、開催地の歓迎の出し物があるが、この一部に上級生の6年生が郷土芸能の踊りで参加していた。市内から児童を駆り出し、体育の授業でその振り付けをマスターさせるような状況は今では様々な要因からできないのではないかと思う。この郷土芸能の踊り、たくさんの児童が参加しているので、どこが自分の小学校の上級生なのか分かりもしない。

 給食の時間には、アンパンとメロンパン、これにパックの牛乳がスタンドで配布された。50年に一度のイベントと言うことで、教育的配慮からこの見学が実施されたのだろうが、連れて来られた身からすると、教室を出ての気分転換といった感じでしかなかった。このように地元の国体の見学やレセプションへの参加は全国的に今も行われているのだろうか?。もしそうだとすると、北朝鮮のマスゲームを笑ってられない、怖い気がする。今年は私が住んでいる千葉県での国体だ。

(秀)