一時期、疑問系のタイトルを付けた本が流行した。「さおだけ屋はなぜつぶれないか?」、「社長の車はなぜベンツの4ドアか?」、「フレンチレストランと餃子屋はどっちが儲かるか?」、「マッキンゼーの人は~でも辞めるのか?」などなど、他にもいくつもこんな感じの疑問系のタイトルの本は今も多い。けど、疑問系タイトルの本の内容は読み終えてもスッキリしないことが多い。

 このようなタイトルの本には2つの罠がある。その1つはタイトルに書かれている答が本に書かれていないケース。状況説明ばかりで、肝心の答がないばかりか、ひどいものでは、自分がその回答の当事者でない(聞いた話を書いただけ)場合もある。それともう1つの罠は、疑問系タイトルに限ったことではないが、タイトルに書かれている話が本のごく一部でしかないケース。数多く収録されているネタの中から、インパクトがありそうなものを選んで本のタイトルにしているだけで、大袈裟なタイトルの割りには、その内容は本の5パーセントにも満たないケースがある。

 コピーライティングの本はわかりやすくて納得しやすいが、問題はそのコピーをどれほどの人に見てもらえるかだ。必要に駆られて、セールスコピーの勉強のために、数冊の本を買って読んでみた。一口にセールスコピーと言っても、チラシのようなアナログの媒体とWebやメルマガといったデジタルの媒体では、書き方が違う。なるほど、セールスコピーの本だから、書いてあることが非常に分かりやすく、的確に思える。但し、タイトルや帯に嘘がある。確かに、売上が上がる、とか、顧客獲得が楽になるかもしれないが、それはそのコピーを見てくれる人がいて、初めて役に立つもの。

 しかしこれらの本を読む人の多くは、それ以前に自分のWebサイトに人が集まらない、と困っているのではないかと思う。このような人々が目的を果たすには二段階のアクション(1.Webにアクセスを集めること、2.アクセスしてくれた人に商品を買ってもらえるようにすること)が必要でありながら、セールスコピーのような本は、後者の対策でしかない。商品が良いから、コピーが良いから、とただじっと待っていては、そのコピーの良し悪しを計る程のアクセスも集まらないわけである。

 ビジネス本には麻薬が潜んでいる。本を読み終えたときや本を読んでいる途中に、気持ち良くなることがないだろうか?。私にはある。特にビジネス系の本の場合、著者の主張が理解できただけでも、嬉しくなってくる。しかし悲しいことに、ビジネス書や自己啓発本は読んで理解したところで、自分の生活には何の変化も起きない。読むだけで痩せるダイエット本や読むだけで金持ちになれる本も残念ながら存在しない。

 それなのに、本を読んで理解したことが快感になってしまう。そして、読み終えたときに、何らかの達成感を感じ、気分が高揚したりする。そこで満足するか、本に書いてあったことを実践してみるかで、差が出るのだろうが、その本に書かれている内容を実践したからと言って、必ずしも再現できると限らないことが最大の不幸かもしれない。その不幸を予見してか、読むだけで満足する人が多いのもまた事実。

 以上、最近本を読みながら気が付いたことのまとめ。

(秀)