日本国憲法第96条。中学3年時の社会、公民の時間に憲法について学ぶのだが、我が担任であった社会科教師はこの96条を重要な条項だとして我々にその暗唱を求めた。そのせい(おかげ)で三十余年の時を経た今でもこの条項はそらんじている。「この憲法の改正は」から始まる、憲法改正に関する箇所だ。

 日本国憲法の改正には、2つのハードルが課されている。まずは、国会の各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が「発議」を行うこと。そして、その後の国民投票において、過半数の賛成を必要としている。現在、憲法改正に賛成な与党および同調勢力は両院において3分の2以上いる。安倍総理の宿願である憲法改正もいよいよか、というタイミングで衆議院の解散・総選挙となった。いずれにせよ、衆議院の残任期での発議は難しかったと思われる。

 一方、国民への世論調査において、あまり有効な数値が見えてこない。漠然と「憲法改正について、賛成ですか?、反対ですか?」と聞いてみても、対象となる改正条項案がなければ、賛否の実情はつかめない。内容如何によって、賛否は大きく変わってしまうからだ。よって度々報道される、憲法改正に対する世論調査の数字は、現時点ではあまりアテにならない。

 さて、今度の総選挙後の議会構成を想像してみる。まず、与党勢力が議席を減らすことは間違いないだろう。前回勝ちすぎた感もある一方、森友・加計で批判を受ける。かと言って、民進党が勝てる要素は乏しく、安倍政権の批判の受け皿とはなりにくい。批判の受け皿となる所はどこか?。都市部では、ある程度の選択肢が用意されるかもしれないが、地方ではそうでもなさそうだ。

 仮に与党が議席数を減らしても、仮に過半数を維持し、それに受け皿となって議席を確保した数を考えてみる必要がある。案外、その新勢力は改憲同調勢力なのかもしれない。結局は衆議院においても3分の2以上という数が温存される可能性がある。もちろん、与党が過半数を制しても、安倍総理が辞任するような結果の場合は、改憲議論も一気にトーンダウンすることになるが。

(秀)