世にパワースポットなる場所が数々あるが、パワースポットという言葉自体が比較的新しいもので、迷信の上書きだったり、誰かが軽い気持ちで言い出したことに尾ひれが付いて、情報の拡散によってやや信憑性が与えられたにしても、所詮は誰かが言い出したことに過ぎない。

 やや乱暴な例示ではあるが、口裂け女やツチノコなんてのも誰かが言い出したことに過ぎない。ただ、存在の有無を対象にする場合、その信憑性を否定することは比較的容易い。一方、「○○に効果がある」、例えば、「恋愛に効果がある」とかいうパワースポットの言われ方となると、それはもうその人が信じるか否かの、個人的な感情の範疇になってしまう。

 初詣での参道。「真ん中は神様が通るところだから、空けておかないといけない」なんて話をここ数年になって耳にするようになった。そんなもん、ずいぶん昔からそうなのかもしれないが、最近になって、改めて誰かが言い出したのか?。神様が実際にその参道の中央部を歩いているところを見た者など誰もいない。きっとこれも誰かがそうしようと、言い出したことだと私は思っている。

 ただ、初詣に来ている人はご利益を期待して訪れているのだろうから、様々な作法にもできるだけ忠実に従う。ご利益を信じるからには、参道の中央も空けておく。年の始めの曖昧な空間。しかし実際の日々の生活の中では、様々な信憑性のない情報はうまくかわしていくようにしないといけない。

(秀)