第1076話 ■ターナー
- 2003.10.27
- コラム
とりあえず形から入る、という方法がある。月に数回、夕食のときに餃子を焼く。焼きの状態は上々だが、盛り付けがうまくいかない。中華屋のように、きちんと皿に焼き面が上を向いた状態で盛り付けができない。一度に20個あまりを焼き、それを一つの大きな皿に入れる。餃子の向きはバラバラで焼き面も揃っていない。
うまく焼き面を揃えて並べようとすると慎重になりすぎれば、フライパンに残ったものが焦げていくのでそうはいかない。道具が悪いような気がした。鉄板用のヘラでは一度に2個くらいしか乗らない。フライ返しには多少多くをのせることができるが、しなってしまってうまく運べない。店で見たように一気に5、6個の餃子を取り、それをひっくり返して皿に盛れる、「あれ」が必要なのではないかという気になった。
「あの」調理器具はターナーという。一般的にフライ返しと呼んでいるものの名称はターナーというらしい。最初100円ショップで探してみたが、餃子用のターナーはなかった。意を決して百貨店に向かう。さすがは伊勢丹、ちょっと分かりにくい所にだったが、確かに置いてあった。1,650円。ちょっと予想していたよりも高かったが、100円ショップでも売られているような一般的なターナーにもここでは1,000円近くの値段が付いていた。せっかく探していたものなので、買い求める事にした。
早速、当日の夕方に使用。ただ思ったよりも使いにくい。いつも使っているフライパンではそんなでかいターナーを割り込ませるような場所がない。また、そもそもが鉄鍋用を想定して作られたもののようで、テフロン加工のフライパンで勢い良く餃子をすくおうとすると、テフロンを傷めてしまいそうだ。結局、このターナーを使いながらもいつもの具合で餃子を皿に移し、この日、専用ターナーの効果は現れなかった。
この男、次は鉄鍋を手に入れるつもりか?。
(秀)
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