第1083話 ■10回クイズ
- 2003.11.12
- コラム
かつて、「10回クイズ」というのが流行った。「『みりん』って10回言って」。「みりん、みりん、…..みりん」。「じゃあ、鼻の長い動物は?」と聞いて、「きりん」と答えさせようという引っ掛けのクイズである。もちろん答は「象」である。いずれ、「10回言って」と言われた時点で警戒するようになるが、最初はまんまとほとんどの人が騙される。
「『ピザ』って10回言って」。「(肘を指差し)ここは?」と聞く。「『ウノ』って10回言って」。「金太郎が担いでいるのは?」。斧→鉞(マサカリ)。単に言葉の似たもので引っ掛けるものから次第に勘違いへと誘い込むものへと高度化していった。「サンタクロースが乗っているものは?」というのが問題だが、カモシカからトナカイに引っ掛け、実は「そり」だったという展開を見せた。
このクイズの仕掛け人は鴻上尚史であった。オールナイトニッポンの1コーナーとして始まった。毎週視聴者がハガキでクイズを投稿してくる。一旦相手が答を間違えた際に、「ちがーうね」と言うのが決り文句である。「10回クイズ ちがうね」という本にまでなった。そのうち、言い損じからかあらぬ方向に無茶な問題が登場したりもした。「みりん」に対して、「耳の長い動物は?」では本来の答も何もあったものではない。
あなたの周りでも流行ったであろうか?。もうそろそろそのときから20年近く経つはずだ(私の記憶が確かならば、17、18年前だと思うが)。今の小学生ぐらいの子供達には新鮮かもしれない。まずは自分の子供で試してみるとしよう。「○○って10回言って」。「いや、面倒くさい」。こんな言い草でこのクイズを封じる手が存在したことをふと今思い出した。
(秀)
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