第1259話 ■ライブドアの行方を予想

 ライブドア堀江社長には謙虚さがない。態度だけでなく、ビジネスの手法についてでも。だから東京地検等の強制捜査が入った際に「ざまあ見ろ!」と思った人も多かったはず。しかし事実は事実として感情論では処理できない。目立ったからやられたのではく、犯罪を犯したと疑われたのでやられたのだ。もし当事者が「目立ったからやられた」と思っているとしたらそれこそ謙虚さがない。強制捜査直後の会見での、「今まで通り、事業の拡大に努めたい」との弁にやはり謙虚さはなかった。

 地検特捜部の目的は立件であり、起訴である。強制捜査はそのための手段にしか過ぎない。ということは相当の判断があっての強制捜査であるに違いない。間違いなく逮捕者が出るだろうし、容疑が固まれば、堀江社長がこれから避けられる理由はない。

 一方、株式は近々に上場廃止になるだろう。株主が駆け込みで売り急ぎ、市場は混乱してしまっている。売値が付くのが先か、それとも上場廃止が先か。可愛そうなのは買収されて傘下に入った子会社の人々だ。上場廃止後、ライブドアはこれら子会社を手放さなくてはならなくなるだろう。それに株主代表訴訟。この株主代表訴訟がダメ押しになると私は見ている。ライブドアはどんな形で終焉を迎えるかはいろいろなストーリーが想定でき、すぐには予想できない。負債がある訳ではないので、解散という形で株式の現金化という軟着陸も有り得る。

 強制捜査以来、日に日に色々と情報が出てくる。風説の流布、粉飾決算、連日の株ストップ安、元グループ会社役員の自殺、売却益の還流、吉川ひなのとの交際。「想定外」と皮肉られている。人々の多くは無情にもこのスキャンダルを面白がっている。マスコミもその立場で煽る。ホリエモンがムイチモンになるらしい。「ざまあみろ」と思っている人が何と多いことか。

(秀)