第1396話 ■落語の団体
東京には現在4つの落語の団体が存在している。1つ目は落語協会。鈴々舎馬風師匠が会長を務めている。最大会派で言わば自民党みたいなもんかな。2つめが落語芸術協会(略称:芸協)。おなじみ、桂歌丸師匠が会長を務めている。2番手の会派だから民主党といった感じか。そして残りは、三遊亭円楽師匠率いる円楽一門と立川談志師匠率いる立川流である。一方、大阪の方には、上方落語協会が存在している。
また、東京には定席と呼ばれる、いつでも落語をやっている寄席が4ヶ所ある。上野鈴本演芸場、浅草演芸ホール、新宿末廣亭、池袋演芸場の4つ。私が初めて落語を生で見たのは浅草演芸ホールで、毎週のように通っているのが鈴本である。ここで話を先ほどの会派に戻すが、落語協会の噺家はこれら4つの寄席のどこででも出られる。一方、落語芸術協会の噺家は鈴本には出られない。現在、落語芸術協会と鈴本演芸場は絶縁状態にあるからだ。これに対し、円楽一門と立川流は定席の寄席で落語をすることができない。定席ではないが、小さな演芸ホールがまだいくつかあるのでそこでやるか、ホールなどでの落語会ということになる。
定席では10日単位でプログラムが変わり、その10日間は同じ協会の噺家によって構成され、鈴本を除いて、落語協会と落語芸術協会でローテーションが行われる。私が初めて落語を生で見たときは、歌丸師匠がトリだった。要はこのときの当番が落語芸術協会だったわけだ。鈴本にだけ通っていては、落語芸術協会の噺家を見ることはできないし、ましてや、円楽一門と立川流も見ることができない。
テレビで落語と言えば、やはり「笑点」だろう。あの番組のレギュラー出演者を会派で見てみると実に多様化している。落語協会、落語芸術協会、円楽一門が集まっている。こういう知識があると、ちょっと「笑点」の見方が変わってくるかもしれない。詳しい、メンバーと会派の内容は各自インターネットででも調べていただきたい。テレビでは仲良さそうだが実際はどうなのだろうか?。
(秀)
-
前の記事
第1395話 ■顔と名前 2007.12.06
-
次の記事
第1397話 ■月曜日の憂鬱(2) 2007.12.10