第1429話 ■ハンドベースボール
- 2008.01.31
- コラム
小学生の時、ハンドベースボール(通称、ハンドベース)が流行った。柔らかいボールを使っての手打ち野球である。放課後となると、軟式ボールを使い、バット、グローブの野球となるが、昼休みなどの時間にそんなことまではできない。運動場は多くの子供たちであふれている。
そこで中庭でハンドベースとなる。人数も1チーム9人というわけにはいかない。それではクラスの男子全員近くになってしまう。そこで外野なしの6~7人。キャッチャーは攻撃チームから出すような状態だ。ピッチャーはボールを下から投げる。アウトカウントは進行の都合もあり、2アウトでチェンジ。チーム分けも日ごとに行って、メンバーは日ごとに変わる。私のポジションはいつもピッチャーと決まっていた。なかなかコントロールが良かった。
その年のプロ野球、セリーグは広島東洋カープが初めてのリーグ優勝を果たした。それまでジャイアンツの帽子をかぶっていた者も含め、クラスのほとんどがカープ赤ヘル軍団の赤いキャップをかぶるようになった。ご多分にもれず、私もジャイアンツから赤いキャップに変えた。野球に興味のない者まで、雰囲気で赤いキャップを買うほどの状態になった。
さて昼休み、ハンドベースをやるために我々はいつもの中庭へと繰り出す。頭には赤いキャップを戴いて、赤いキャップが攻守かまわず10数人。紅白戦ならぬ赤赤戦となった。しかしこの赤いキャップのブームは一時的なもので、その帽子がへたって、新しいものを買うときには、大半がジャイアンツの帽子に戻っていた。
(秀)
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