第1428話 ■おしっこボール

 今回は男性しか共感できない、ちょっとお下劣なネタで失礼したい。かつて男子用の小便器の中にピンポン玉をひとまわり小さくした球形の芳香剤が入れられていることがあった。これを僕らは少年の頃、おしっこボールと呼んでいた。放尿の際の的にするのだ。

 不思議とこの芳香剤は、私の記憶によると小便器内に一つではなく、二つ入れられていることが多かったような気がする。昔は学校をはじめ、よく見かける代物だったが、今ではほとんどその姿を見る機会がなくなった。たまにホームセンターの陳列台などで見かけるが、個人宅では洋式の水洗トイレが増えたせいで小便器そのものが減ったのではなかろうか。

 うまくこの的におしっこを当てて、コロコロと転がして移動させてみたりする。そして何よりも、おしっこでそのボールを真っ二つに割ったときにはこの上ない、達成感と満足感を得ることができた。おしこっが当たるとより早くボールは小さくなる。何かに当ててみたくなる心理を微妙に突いていた。皆もやったよね。

(秀)