第1472話 ■ショッピングカート

 私がインターネットで初めて物を買ったのは、九州ラーメンで、もう10年以上前のことだ。今はもうない、ショッピングサイトのある店舗から九州ラーメン10食を注文した。今に比べれば非常に簡素な注文システムで、決済システムなどなく、数日後届いた商品に同梱されていた振込用紙を持って、郵便局で代金と送料を振り込んだ。届いた商品は「業務用」という印刷の箱に入っていた。

 こんなインターネットショッピングデビューであったが、その便利さは十分に実感でき、その直後から書籍やCDをインターネットで買った。電子決済も10年くらい前から使用できるようになったと思う。まだアマゾンが日本に上陸する前の話だ。ただどうしても、商品を手にするまでに時間が掛かるし、ほとんどのケースでは送料が掛かる。それでもネット通販を止められないのは、それなりの魅力があるからだ。

 まずネットは探し出すことができる。新品に限らず中古品も含めて、今までは到底考えられないほどの量の情報にアクセスでき、取捨選択できる。探し出せた瞬間の喜びはこの上なく、何よりもこれが有難い。そして2点目は基本的に値段が安いことだろう。この点で満足できれば、多少時間が掛かることも逆に届くまでの楽しみになる場合すらある。

 読者諸氏もいろいろとインターネットショッピングを利用していることだろう。「ポチッとな」と「カートに追加」や「決済」を押しているのではなかろうか?。けど中にはカートに入らないようなものもある。冷蔵庫や洗濯機、薄型大画面テレビなどなど。先日は自動車を販売しているサイトで「カートに追加」というボタンを見た。さらにこれはクレジットカードでは買わないだろうが、クレジットカード決済が用意されていて、送料の説明では宅配便で送る旨記載されている。「ポチッ」といってみたい気もするが、そこは我慢、我慢。笑いの代償としては余りにも高過ぎる。

(秀)