第1487話 ■25

 私は5人兄弟の末っ子で、すぐ上の兄貴とでも9歳離れている。だからケンカをしようにもはなから勝負にならない。また、兄弟と歳が離れているため、家の中では一人遊びすることが多かった。それでもおもちゃはたくさん持っていて、それを使っての一人遊び。例えば野球盤を一人でやる。自分で投げて、自分で打つ。さすがにこれはつまんなくて、すぐに飽きてしまった。それでもすぐ上の兄貴はたまには私の相手をしてくれた。普通だったら父親とやるようなキャッチボールも兄貴とやった。

 また、「25」という遊びも兄貴と一緒にやった。紙とペンをそれぞれ用意し、紙にまず縦横4本の線を引く。紙は新聞折込チラシの裏を使っていた。そして相手に見られない状態で、線で区切られた枠(外枠はない)に1から25までの数字をランダムに記入していく。それから先攻後攻を決めて、お互いに1から25までの数字の中から、自分が消したい数字をコールしていく。コールされた数字を消しこんでいき、ビンゴのように縦横斜めで消しこまれた数字の列を先に5個作った方が勝ちという遊びだ。

 非常に単純な遊びであるが、力の差なんてものは影響しないので、比較的互角に勝負できる。またお金も掛からない。ゲームで喜んでいる子供たちとたまにはこんな単純なゲームで相手をしてやろうかな、という気になってきた。

(秀)