第1531話 ■そうめんの日

 せっかくの七夕の夜だが、朝からの雨とその後の雲で天の川を見ることは無理なようだ。結構この時期、こんな感じの天気が多く、私の記憶ではすっきりした天の川というのはあまりなかったような気がする。

 さて、急に暑い日が続くようになった。こんなときは冷たいものでちゅるちゅるっと思っていたら、夕食に冷やし麦が出てきた。子供の頃、私はこれをそうめんと教えられていて、しばらくそう信じていた。それが食堂の店先できれいなガラスの器に入ったサンプルに書かれた、「冷やし麦」という名前を見て初めて真実を知らされた。かつて我が食卓に冷やし麦が並んだのは父の好みによるものだった。

 それにしても冷やし麦に入っている色付きの麺が子供の頃とても好きで、それを口にするとちょっと嬉しい気持ちになった。

 7月7日は、そうめんの日である。七夕にそうめんを供えることに由来しているようだが、それはそうめんを糸に見立てて、裁縫が上手くなるようにとの願いを込めて供えるものである。ところでこれが冷やし麦となると糸が多少太くなってしまい、裁縫の上達は無理っぽい。あなたはどっちの方が好きかな?。

(秀)