第1586話 ■最近のお笑い傾向
最近のお笑い番組で最も面白いものは「爆笑レッドカーペット」だと思う。レッドカーペットに見立てたステージに芸人が登場し、約1分間のショートギャグを披露して、ゲスト審査員が面白さの度合いを判定する趣向である。次々にお笑い芸人が登場し、1回の放送で20組程度の芸人が登場するのではなかろうか?。
短時間であるため、ストレートな笑いが主で、気楽に見ていられる。逆に、凝った、練られた笑いはそこにはない。このような現象を見て、私はこれからのお笑いに大きな危惧を感じてしまう。一方は笑いの作り手側の質の問題。そしてもう一方に、受け手の側の慣れの問題。
前者は、笑いの作り手である芸人がこのようなスタイルの笑いを求められていることに反応し、このようなネタばかり作るのではなかろうかと。間が持たない芸人ばかりが増えて、極端な例では、テレビ以外の劇場などでのワンマンライブなんかできないのではなかろうか?。後者はストレートで単純な笑いに客が慣らされてしまうことだ。前者と後者は需要と供給の関係で、お互いの好みが合致しているから、良さそうなものだが、結果として芸人を堕落させている。
お笑い界は現在、ヒーロー不在で、ひな壇芸人ばっかりになっている。芸人も視聴者も、結局はテレビ局の思惑で踊らされているだけだ。
(秀)
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