第1592話 ■「なんで買ってしまったんだろう?」

 日々ふつふつと湧いてくる物欲の一方で、実際にそのものを買ってしまったら、「なんでこんなもの、あんなに欲しかったんだろう?」と思うことが多い。ひどいときは「買わなくても良かった」とか「買わなきゃ良かった」とさえ思うときもある。きっと、こんな気持ちは私だけでなく、皆さんにもあることとだろう。

 遠足も前の日が一番楽しいし、男女も付き合うまでが楽しかったり、結婚するまでが楽しかったりする。買い物の件も、ある種、これに通じることなのかもしれない。要は満足度と言うか、それがモノであれば買う時点にピークとなって、それ以降は急速に満足度が減退していく。それがただ減退するだけでなく、ある時点で一時的にでも満足度がマイナスになってしまい、それが「後悔」となって、冒頭のような気分になるものと思われる。

 このようにあるときには後悔もするし、満足度はそこから減退することが分かってしても、結果として新たな物欲が勝ってしまう。そこにはまた別の心理的なプログラムがあるのだろう。そこを合理的に解釈することができたら、私の物欲もうまくセーブできるかもしれない。まだまだ検討は続く。

(秀)