第1669話 ■エコという名の免罪符

 政府が補正予算での導入を発表している「エコポイント」が15日の購入分から対象となるということで、その商戦がいよいよスタートした。しかし、そのポイントが実際にどのように還元されるのかなどはまだ公開されていないし、肝心の補正予算も可決したわけではなく、見切り発車の感は否めない。まあ、そのままでは支給額の減少で冷え込みが予想されていた、夏のボーナス商戦をどれほど刺激してくれるのかを静観したい。

 ただ、その内容には疑問というか、突っ込みどころが多い。対商品はエアコン、冷蔵庫、それに地上デジタル波対応のテレビだ。その還元額を見ると、実際のエコへの貢献度などは無視され、テレビの還元額が大きい。これはエコを語った地デジテレビの買い替え促進策でしかない。しかも、画面サイズが大きいほどその還元額が大きい。エコへの貢献度を考えれば、大きいテレビの方が消費電力が大きいから、これに金を付けて販売を促進しようというのはむしろエコの概念に逆行している。

 それと新車購入の際のエコ減税にも疑問がある。家電品同様にメーカーの支援策でしかない。いずれにしても家電品や自動車を新たに購入する人しか、その恩恵を受けることができない。そして、エコという言葉が「免罪符」となって、一人歩きしている。エコとさえ言えば、何でもありの状態になっている。

 例えば私が昨年買った自動車。今回エコ減税の対象になっている。車種は大型のミニバン車だ。私の場合、燃費はなんと、ガソリン1リッターあたり6.5キロ。車重が約2トンあるため、燃費が良くない。果たしてこれがエコ対象車と言えるだろうか?。相対的に同種の車の中で燃費が良いにしても、絶対的に燃費が良くないものはエコ減税などからは除外するべきではなかろうか?。別に自分が買ったときが高かったからって怒っているわけじゃないよ。

(秀)