第1670話 ■不便なるノートパソコンでも

 廉価なるノートパソコン、ネットブック。いろいろと国内パソコンメーカーも参入を果たし、一部では第二世代機になっているが、ソニーを除いてあまり代わり映えしないマシンばかりだ。何故なら、廉価で出すための条件となると、いずれも同じような仕様や規格になるし、マイクロソフトからウィンドウズXPのライセンスを廉価に仕入れるためには、マイクロソフトからの仕様のガイドラインに従わなくてはならない。解像度の低い画面も、少々もたつくCPUも、こんな制約によるものだった。

 だから価格とスペックを秤に掛け、費用を安く抑えるには、多少我慢しなくてはならない。けど、ちょっと古い中古のノートパソコンよりはメモリやHDDは大容量で、場合によっては使い勝手が良かったりする。このあたりの値付けが実に微妙で悩ませられることが多い。

 それとネットブックは大きさが中途半端な気がする。基本的に小さいが、思ったほどは軽くない。また、その小ささだが、長時間キーボードを叩くことを考えるとやはり厳しい。ある程度のキーボードが大きくて、軽いものが理想であるが、現時点では5万円という価格ゾーンにそれを求めることは難しく、ソニーの約10万円という価格帯での検討となる。

 今となってはずいぶん以前の話になるが、ウィンドウズCEという簡易版のOSがあって、専用のコンパクトなノート型の端末が発売されていた。OSが軽いので、メモリ容量は小さくても動作は快適だった。10年近く前の話になる。値段は今のネットブックよりも高かった。中古を含め、いくつかを買い求めて楽しんでいたが、当時は通信環境が良くなかったので、携帯する端末としての活躍の場はあまりなかった。ただ、電源を入れれば即使用できる状態になるのは重宝した。スケジュールの書き込みなどは即時対応ができないといけないから。

 ウィンドウズCEはその後も細々とながらも進化し、現在でもウィンドウズ・モバイルとして現存している。一部の携帯電話ではスマートフォンという多機能端末として生き残っている。

 私としては、このウィンドウズ・モバイルをOSとしたスマートフォンをノートPCの大きさに拡大した端末が欲しい。薄くて軽くできそうだし、何よりも電源を入れれば即使用できる感じが何とも嬉しい。通信環境も今では格段に良くなっているだろうから、屋外での使用もきっと快適に違いない。ニーズはあると思うのだが。

(秀)