第1713話 ■タイムシフトマシン

 東芝がすんごいテレビを開発して発表した。55インチの液晶画面ながら、その値段は100万円という代物だ。映像プロセッサが高品質な事はもちろんのこと、画像も相当綺麗なのだろうが、それだけで高いわけでもなさそうだ。やはりポイントはデジタルチューナーを多く積んでいることだろう。

 資料によると地上デジタルチューナーが11個、BS/CSチューナーを3個積んでいる。しかもこれらを生かすために、3テラバイトのHDDを搭載している。同時に何チャンネルも見ることはできないが、同時にこれらを録画することができるのだ。番組を指定することなく、放送している番組全てを、例えば1週間分丸ごと録画できる。録り逃しということがなくなりそうだ。

 以前もソニーがバイオでアナログチューナーながら同様の機器をパソコンとして販売していた。認知度が今イチであったのと値段が高かったのか、ほとんど売れなかったようだ。私は別に高品質なテレビが欲しいわけではないが、レコーダーでこの「タイムシフトマシン」が出るのならば、きっと欲しくなるだろう。

 問題はこれら録画したコンテンツをどう消化していくかである。正直、数チャンネル分の番組を全て見るなんて、到底できることではない。見る予定がないものをただただ録画しては消していくことになるだろう。しかし、将来にわたって録画予約を繰り返し、あるときは録り逃しを行うリスクから解放されるのならば、私には非常に魅力的な製品に思える。きっと、テレビの視聴スタイルが大きく変わることだろう。

(秀)