第1712話 ■同時上映

 私はこの「秀コラム」のサイト以外にもいくつかのサイトを運営しているが、その中の1つ、森繁久彌氏の映画「社長シリーズ」の解説サイトは目下自称日本一の「社長シリーズ」情報サイトで、日本一ということはとりもなおさず、世界一ということになる。ここに今度社長シリーズに加えて、同氏主演の「喜劇 駅前シリーズ」のコンテンツを追加していっている最中である。

 そんな感じで古い映画のデータを調べていると、「併映」または「同時上映」作品の情報を目にする。これらは東宝作品であるため、「若大将シリーズ」や「クレイジー映画」などと同時上映になっていたりする。松竹の「男はつらいよシリーズ」も手元の資料によれば、いずれも他の作品と同時上映になっている。こちらはドリフターズの作品などが挙がっている。

 そう、昔は邦画となると、まず2本立てというのがお決まりだった。薬師丸ひろ子主演の「探偵物語」に対して、原田知世主演の「時をかける少女」。渡辺典子主演の「伊賀忍法帖」に対しては「汚れた英雄」(草刈正雄主演)。何故だか角川三姉妹の作品のことだけははっきり覚えている。いずれも劇場で見た。洋画も2本立てというのがあったのは記憶しているが、具体的な作品名は思い出せない。

 最近は同時上映、2本立てなど、戦隊モノと仮面ライダーの組み合わせぐらいしかない。よって、映画料金は単に額面金額の推移だけでなく、実質的な値上げが行われている。かと言って、続けて2本の映画を見るのは結構大変なことである。同時上映がなくなってしまったということは、娯楽の多様化の影響の一つなのだろう。まあ1つの作品の上映時間もやや短かったし、全体的に時代がのんびりしていたのかもしれない。

(秀)