第1968話 ■本籍地を電子地図で訪ねてみた

 気が付けば、郷里を離れてからの時間の方が人生の半分を超えている。しかしながら自分の本籍地は私が出生し戸籍に登録された地番のままにしてある。結婚するタイミングでその時の現住所を本籍地にしようかと思ったりもしたが、父親の反発があったので、そのままにしておいた。

 実はその本籍地、住んでいた市内に存在することは知っていたし、「あのあたり」といった地図上での感覚は昔からあったが、その場所やその周辺地域に足を踏み入れたことは未だかつてない。亡父がかつて住んでいたところとして何度か聞いたことのある町名は、その本籍地の隣町だった。

 今さらながら、Googleマップで本籍地を検索してみた。そして写真を見、Googleストリートでその地点から360度ぐるりと周りを見渡してみた。行ったことがないから、何の記憶もないが、市内にありがちな町並みの狭い道通りだった。改めて地図を見ると、父親が通ったという小学校のすぐ裏手だった。そもそも祖父母が住んでいた場所なのか?。あいにく、祖父母は私が生まれる前に他界していたようだし、父親からも何も聞かされていない。

 私の苗字は地元がその発祥であるらしい。かつては下級武士だったと父親は言っていたが、信憑性は不明。ただ自分もそれを踏襲していて、自分の子どもたちには同じように伝えている。地元の現市長と同姓ではあるが、どうやら親戚ではないらしい。残念。

(秀)