第1975話 ■人工知能の性別

 今後十年でAI(人工知能)は急速な発展を遂げ、我々の生活、特に就労のスタイルを大きく変えてしまうとのもっぱらの噂。十年後になくなる仕事というワードが注目を集めている。その分野の全ての仕事がなくなるわけではなかろうが、大規模にその人工知能のシステムに投資を行える規模でないと競争に勝ち残れない可能性がある。

 「士業」と言われるインテリジェントで資格が幅を利かせている分野の仕事が、まさにそれ故コンピュータが最も得意としている分野としてバッティングしている。このような仕事を大資本で一気に自動化するような事業者が出てきたら、その市場は一変することだろう。全てが自動化されることが無くとも、報酬のレートの基準が見直されるのは必至。

 システム系の技術者もAIでの置き換えが結構早くやってくるかもしれない。一人の天才が数十人分、いやそれ以上の発想で大量の価値を生み出す分野である。自分たちの首を締める行為でありながら、それに躊躇をしていると、自らの食い扶持を失ってしまう。ただいま、IT技術者の人材は不足していると言われているが、その供給が追いついた頃に、大量の人余りにもなりかねない。この十年というのは、本当に変化の期間になりそうだ。

 ちょっと前に読んだ本の話題から。人間の男性と女性の間で思考方法が異なったり、意思の疎通がうまくいかないのは、そもそもそれぞれで脳の構造が違うからだと書いてあった。いろいろと異性間でコミュニケーションロスが生じるのはこのためなのらしい。あー、そんな話、もっと早く知りたかったよ。

 さて、人工知能を作るにあたりそのモデルを男脳型にするのか、女脳型にするのか。最初、人工知能の研究が始まった際には、この脳構造の性差など認識されていなかったため、自然と男脳型で始まっていた。もちろん、そんな意識すらなかったのだろう。そして、女脳型の人工知能を作っても、男脳型の人工知能との間では、うまく意思疎通ができないらしい。その方がリアルと言えば、リアル。

 もし、十年後にも残っている仕事を探すとしたら、人工知能の弱点に注目すべきで、人工知能でも(現時点では)克服できていない、こんな男女の差のような分野に何らかのヒントがありそうな気がするが、果たしてどうだろうか?。

(秀)