第404話 ■振れ幅
いよいよ、今クールのドラマも佳境に至った。ほとんどのドラマが今週か来週に最終回を迎える。今クールはドラマにまつわるコラムの回数が少なかった。何しろ、今回はあまり見ていなかったのだから仕方がない。しかし、見てはいないものの録画済みの状態でビデオテープが書斎の角に高く積み上げられている。途中で録画をやめたものも多いけど。
今クール、毎回きちんと見ているのは「やまとなでしこ」ぐらいである。このドラマは一般的なドラマのセオリーに反して作られていた。普通のドラマは初回で設定した、秘密や伏線を引きずりながらクライマックスへと展開されるのであるが、このドラマでは2回目の放送で早くも欧介(堤真一)の嘘がばれてしまう。しかし、主演の二人の心理的葛藤を中心に描くことで、ドラマは十分な面白さに仕上がっていた。粕屋(筧利夫)のアドリブらしい一人演技も後半に至って、ますます冴えている。
さて、この「やまとなでしこ」も次回が最終回となる。一般的にドラマは最終回の前の回に大きく話が転回する。その回で桜子(松島菜々子)は教会から結婚式の途中に姿を消した。そして、最終回の予告では「私、全てなくしてしまった」と彼女が語るシーン。ドラマスタート時の彼女の状態と比較して、エンディングの彼女の幸福度は果たしてプラスで終わるのか、それともマイナスで終わるのか?。これがいわゆる、「振れ幅」である。プラスで終わればハッピーエンド、マイナスならば何と言うのだろうか?、アンハッピーエンドか?。最近は単純なハッピーエンドとなるドラマが少なくなっている。
次週にはどんな結末が待っているのだろうか?。欧介は再度数学の夢を追い求め、渡米を決意するらしい。それともう一つ、このドラマのタイトルが「やまとなでしこ」である意味がわかるのだろうか?。
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