第447話 ■締め切り

 実は締め切りに追われている原稿がある。いや、正しくは締め切りを過ぎてしまっている。PTAの広報紙への寄稿分がそれである。高々六〇〇文字の原稿なんか日々のコラムの文量に比べると楽なはずだ。ましてやこちとらコラムに関しては毎日が締め切りなわけだし。

 しかし、その高々六〇〇文字が埋まらない。逆に文字数がこんなに少なくてはあまりにも中途半端で、話のオチを迎える前に紙幅が尽きてしまいそうだ。また、テーマは自由というものの、対象は教育やPTAの活動などに限られ、好きな話題について書けばいいものでないのも当たり前だが困っている。

 文筆業の人は一日に何度も「書けなくなったらどうしよう?」と思うものらしい。確かに私もたまに同じことを思うことはあるが、日々のコラムは好きなことをテーマに書けるので、穴を開けずに書いてこれた。さて、件の原稿もどうやらタイムリミットである。このコラムが片づけて何とかその六〇〇文字に挑むとしよう。

(秀)